アールエフシートハ?インターネットに関する技術やルールには、世界中の人が共通で理解し、守るための「決まりごと」があります。 その決まりごとを文章にまとめ、公開しているのが「RFC」と呼ばれる文書です。 普段インターネットを使っていても直接目にすることはありませんが、メールの送受信やWebの閲覧など、 私たちが当たり前に使っている多くの仕組みは、このRFCに基づいて動いています。 この記事では、RFCとは何か、その役割や種類について、わかりやすく紹介します。目次RFCとはRFCの正式な意味RFCが作られる目的RFCの種類RFCとインターネット技術の関係RFC番号の意味まとめ■ 1. RFCとは◇ インターネット技術の「設計図」RFC(アールエフシー)とは「Request for Comments」の略で、 インターネット技術に関する仕様や提案をまとめた文書のことです。たとえば、メールを送る仕組み(SMTP)Webページを表示する仕組み(HTTP)IPアドレスのルール(IPv4やIPv6)といった技術のルールや手順は、すべてRFCによって定められています。◇ 名前の由来「Request for Comments(意見募集)」という名前のとおり、 最初は「この提案について意見をください」という意味で作られた文書でした。 しかし、現在では「世界の標準を定める正式な技術文書」としての役割を持っています。■ 2. RFCの正式な意味RFCは、インターネット技術の標準化を目的とした文書の総称です。 インターネット関連の標準を決める組織「IETF(Internet Engineering Task Force)」が中心となり、 技術者たちが議論・検証を重ねて公開します。◇ RFCの特徴誰でも無料で閲覧できる世界中の技術者が利用・参照できる古いRFCもすべて記録として残されているつまり、RFCは「インターネットの教科書」ともいえる存在なのです。■ 3. RFCが作られる目的◇ 世界共通のルールを作るためインターネットは、国や企業を超えて世界中で使われています。 そのため、どの国でも同じように通信できるようにするには、共通のルールが必要です。 RFCは、その共通ルールを誰でも確認できる形でまとめるために作られています。◇ 技術の進化に対応するため新しい通信方式やセキュリティの仕組みが生まれると、それに合わせたRFCが作成されます。 古くなった技術は新しいRFCによって更新・置き換えられます。■ 4. RFCの種類RFCにはいくつかの種類があります。目的や内容によって分類されており、 単なる提案から正式な標準まで、段階的に位置づけられています。種類内容Standards Track(標準化文書)インターネットの正式な標準となる技術を定めるRFC。SMTPやHTTPなどが該当します。Best Current Practice(推奨される運用方法)技術や運用のベストプラクティス(最適な方法)をまとめたRFC。Informational(情報提供)技術的な情報や解説を目的とした文書。標準ではありません。Experimental(実験的)新しい技術を試すために作られるRFC。まだ標準化されていない段階です。Historic(廃止済み)古くなり、すでに使われていない技術に関するRFC。参考資料として残されます。■ 5. RFCとインターネット技術の関係RFCは、私たちが普段使うさまざまな技術の「もと」になっています。◇ 代表的なRFCの例RFC 5321:メール送信の仕組み「SMTP」の仕様RFC 5322:メールヘッダの構造RFC 2616(→後にRFC 7230〜7235に更新):Web通信の仕組み「HTTP/1.1」RFC 791:インターネットの基本「IP(IPv4)」このように、RFCをもとにして世界中の機器やソフトウェアが作られているため、 どこの国でも同じように通信ができるのです。■ 6. RFC番号の意味◇ 1つひとつに固有の番号がついているRFCは発行順に番号がつけられています。 たとえば「RFC 5321」や「RFC 791」というように表記され、 その番号を見ればどの文書かをすぐに特定できます。◇ 古いRFCもすべて残る新しい技術が登場すると、古いRFCが「廃止」や「更新」として扱われますが、 古いものもアーカイブとして公開され続けます。 そのため、インターネットの技術の「歴史」をたどることもできます。■ 7. まとめRFCは、インターネットの基盤を支える「技術のルールブック」です。RFCは「Request for Comments」の略で、技術仕様を公開する文書インターネット技術の標準や提案を世界共通でまとめているメールやWeb通信など、私たちが使う多くの技術はRFCに基づいている普段は意識することのないRFCですが、 実は私たちが「インターネットを安全・快適に使える」のは、このRFCのおかげなのです。
技術情報
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RFCとは?
最終更新日:
2025年11月7日アールエフシートハ?
インターネットに関する技術やルールには、世界中の人が共通で理解し、守るための「決まりごと」があります。
その決まりごとを文章にまとめ、公開しているのが「RFC」と呼ばれる文書です。
普段インターネットを使っていても直接目にすることはありませんが、メールの送受信やWebの閲覧など、
私たちが当たり前に使っている多くの仕組みは、このRFCに基づいて動いています。
この記事では、RFCとは何か、その役割や種類について、わかりやすく紹介します。
目次
■ 1. RFCとは
◇ インターネット技術の「設計図」
RFC(アールエフシー)とは「Request for Comments」の略で、
インターネット技術に関する仕様や提案をまとめた文書のことです。
たとえば、
といった技術のルールや手順は、すべてRFCによって定められています。
◇ 名前の由来
「Request for Comments(意見募集)」という名前のとおり、
最初は「この提案について意見をください」という意味で作られた文書でした。
しかし、現在では「世界の標準を定める正式な技術文書」としての役割を持っています。
■ 2. RFCの正式な意味
RFCは、インターネット技術の標準化を目的とした文書の総称です。
インターネット関連の標準を決める組織「IETF(Internet Engineering Task Force)」が中心となり、
技術者たちが議論・検証を重ねて公開します。
◇ RFCの特徴
つまり、RFCは「インターネットの教科書」ともいえる存在なのです。
■ 3. RFCが作られる目的
◇ 世界共通のルールを作るため
インターネットは、国や企業を超えて世界中で使われています。
そのため、どの国でも同じように通信できるようにするには、共通のルールが必要です。
RFCは、その共通ルールを誰でも確認できる形でまとめるために作られています。
◇ 技術の進化に対応するため
新しい通信方式やセキュリティの仕組みが生まれると、それに合わせたRFCが作成されます。
古くなった技術は新しいRFCによって更新・置き換えられます。
■ 4. RFCの種類
RFCにはいくつかの種類があります。目的や内容によって分類されており、
単なる提案から正式な標準まで、段階的に位置づけられています。
■ 5. RFCとインターネット技術の関係
RFCは、私たちが普段使うさまざまな技術の「もと」になっています。
◇ 代表的なRFCの例
このように、RFCをもとにして世界中の機器やソフトウェアが作られているため、
どこの国でも同じように通信ができるのです。
■ 6. RFC番号の意味
◇ 1つひとつに固有の番号がついている
RFCは発行順に番号がつけられています。
たとえば「RFC 5321」や「RFC 791」というように表記され、
その番号を見ればどの文書かをすぐに特定できます。
◇ 古いRFCもすべて残る
新しい技術が登場すると、古いRFCが「廃止」や「更新」として扱われますが、
古いものもアーカイブとして公開され続けます。
そのため、インターネットの技術の「歴史」をたどることもできます。
■ 7. まとめ
RFCは、インターネットの基盤を支える「技術のルールブック」です。
普段は意識することのないRFCですが、
実は私たちが「インターネットを安全・快適に使える」のは、このRFCのおかげなのです。