エーアイメールサクセイノメリットトチュウイテンAIを活用したビジネスメールの作成は、文面の下書きや要約、言葉遣いの調整などを効率よく進めやすい方法として注目されています。 一方で、内容の誤りや不自然な表現、情報管理の面では注意が必要です。 この記事では、AIを使ったビジネスメール作成のメリットとデメリット、安全に活用するための工夫、実際に使えるプロンプト(※1)例をわかりやすく紹介します。 ※1:AIへの指示や依頼内容を伝えるために入力する文章や言葉のこと。目次AIを使ったビジネスメール作成メリット注意点安全に活用するための工夫AIを用いたメール作成で使えるプロンプト例まとめ■ 1. AIを使ったビジネスメール作成AIを使ってビジネスメールを作成すると、様々なメリットがあります。 メール作成に慣れていない人でも文面を作りやすく、日々の業務の中で文章作成の負担を減らすことができます。 内容を整理しながら、相手に伝わりやすいメールを作るための補助役として活用できるのが、AIを使ったビジネスメール作成の大きな特徴です。■ 2. メリット◇ メール作成時間の短縮ビジネスメールでは、伝える内容そのものよりも、文面を整える作業に時間がかかることがあります。 例えば、言い回しを考えたり、失礼のない表現に直したり、全体の流れを整えたりする作業です。 AIを使うと、伝えたい要点をもとに文面の下書きを短時間で作成できます。 特に、次のような場面で時短につながります。・日程調整のメールを作るとき ・資料送付の連絡をするとき ・問い合わせへの返信文を考えるとき ・社内向けの案内文をまとめるとき短時間で下書きを作り、その後に必要な修正を加えることで、メール作成全体の効率を高めやすくなります。◇ 長いメール内容を要約や整理業務では、会議の内容、問い合わせ内容、社内共有事項など、情報量の多い内容をメールで簡潔に伝えなければならない場面があります。 そのようなときにAIを使うと、長い文章の要点を整理し、短くまとめた文面を作りやすくなります。 例えば、次のような使い方ができます。・会議メモをもとに要点を整理する ・長い説明文を短くまとめる ・問い合わせ内容を整理して返信文の形にする ・複数の連絡事項を読みやすくまとめる情報が多いままだと、相手にとってわかりにくいメールになりやすいですが、AIを使うことで内容を整理しやすくなります。◇ 言葉遣いを適切に整えるビジネスメールでは、内容が正しいだけでなく、相手に合わせた丁寧な言葉遣いも大切です。 しかし、表現の仕方によっては、素っ気なく見えたり、逆に回りくどくなったりすることがあります。 AIは、伝えたい内容をもとに、適切な言い回しへ整えるのに向いています。 そのため、次のような調整に役立ちます。・くだけた表現を丁寧な表現に直す ・強すぎる言い方をやわらかくする ・わかりにくい文をわかりやすい表現にする ・社内向けと社外向けで言い回しを変える文章表現に迷いやすい人でも、相手に失礼のない文面を作りやすくなります。◇ メールの文章構成を整えるメールは、内容だけでなく、全体の構成がわかりやすいことも重要です。 一般的には、件名、挨拶、本文、結びの流れが整っていると、相手にとって読みやすいメールになります。 AIを使うと、この基本的な構成を意識した文面を作りやすくなります。 例えば、次のような点で役立ちます。・内容に合った件名を考える ・相手に合った挨拶文を入れる ・本文の順序を整理する ・結びの言葉を適切に整える特に、内容は決まっているものの、どの順番で書けばよいか迷うときに便利です。 構成が整うことで、相手に意図が伝わりやすいメールになります。■ 3. 注意点◇ 内容の正確性をそのまま信頼できないAIは自然で読みやすい文章を作る一方で、内容が常に正しいとは限りません。 文面としては整っていても、事実確認が不十分なまま出力されることがあります。 また、AIは事実とは異なる内容を、正しいように見える文章として出力することがあり、これをハルシネーションと言います。 文章全体が自然で読みやすいほど違和感に気づきにくく、そのまま使ってしまうおそれがあります。 例えば、次のような誤りが起こる可能性があります。・実際とは違う日時を書く ・古い情報を前提に案内文を作る ・確認していない内容を断定的に表現する ・自社のルールと異なる内容を含める特にビジネスメールでは、日時、条件、相手への案内内容などに誤りがあると、社内外のやり取りに混乱が生じる可能性があります。実際に、Microsoft Learnの「Microsoft 365 Copilotのサービスに関するメールまとめのFAQ」では、メール要約の機能について、重要な詳細を見落としたり、メールスレッドの文脈を誤って解釈したりする場合があると案内されています。 また、正確さのために元のメール内容を参照し、要約を慎重に確認する必要があるとも記載されています。◇ 情報漏洩のリスクがあるAIにビジネスメールの作成を依頼する際、入力する情報の扱いには注意が必要です。 内容によっては、社外に出してはいけない情報や、取り扱いに配慮が必要な情報が含まれる場合があります。 例えば、次のような情報です。・顧客名や担当者名 ・社内だけの連絡事項 ・未公開の製品情報や計画 ・契約内容や金額 ・個人情報を含む内容こうした情報を安易に入力すると、AIの学習データとして利用され情報漏洩のリスクになるおそれがあります AIを利用する際は、社内ルールや利用条件を確認し、入力してよい情報の範囲を明確にしておくことが大切です。◇ 不自然な文章のリスクAIが生成する文章には、不自然な表現が含まれる場合があります。・過剰な敬語:かしこまりすぎて回りくどくなったり、上から目線な印象を与えたりする。 ・文脈のズレ:一文は正確でも、全体の流れがぎこちなく、実際のやり取りでは使わない硬い表現が混在する。 ・相手との関係性に合わない表現:相手との関係性に対し、表現が断定的すぎたり、過度に事務的になることがある。ビジネスメールでは「内容の正確性」と同じくらい「相手との関係性に合わせた表現」が求められます。 AIの出力をそのまま使うのではなく、言い回しの違和感やトーンを人で最終調整することが必要です。■ 4. 安全に活用するための工夫◇ AIには下書きを作らせるAIを使うなら、最初から完成形を任せるのではなく、下書きを作る使い方が向いています。 例えば、次のような使い方です。・本文の構成だけ作らせる ・丁寧な言い回しに整えさせる ・要点を箇条書きにさせる ・件名候補を出させるこのように使えば、AIの便利さを活かしながら、重要な判断は人が行いやすくなります。◇ 指示を具体的にするAIへの指示があいまいだと、生成される文章もあいまいになりやすいです。 そのため、誰に送るのか、何を伝えるのか、入れるべき情報は何かを具体的に伝えることが大切です。 例えば、次のような条件を伝えると使いやすくなります。・相手は取引先か社内か ・目的は案内か依頼か確認か ・入れるべき日時や条件 ・避けたい表現 ・文面の長さ ・丁寧さの程度条件がはっきりするほど、不要な補足や誤解を減らしやすくなります。◇ 重要項目は必ず人が確認するAIの文面を使う前に、重要な情報は人が確認することが大切です。 特に、相手に誤解を与えやすい項目や、間違いがそのまま信用や業務に影響する項目は注意が必要です。 例えば、次のような内容は必ず確認しましょう。・会社名、担当者名、部署名などの名称 ・日時、金額、数量などの数値情報 ・サービス内容、URL、連絡先などの案内情報 ・確定事項と未確定事項の区別上記内容に誤りがあると、相手に誤解を与えたり、やり取りの混乱につながる可能性があります。 そのため、AIが生成した文面はそのまま使用せず、重要な情報ほど人が確認してから使うことが大切です。◇ 重要なメールほどAI任せにしないAIを活用する際は、すべてのメールを同じように扱うのではなく、内容に応じて使い分けることも工夫のひとつです。 例えば、契約関連、おわびや謝罪、障害や不具合の説明、社外への正式なお知らせなどのメールは、情報漏洩や誤った案内のリスクが伴います。 こうしたメールは、AIに任せるのではなく、人自らが内容を確認しながら作成した方が安全です。■ 5. AIを用いたメール作成で使えるプロンプト例◇ 下書きを作成してほしいときAIは、まずメール全体の下書きを作成することに適しています。 その際は、相手、目的、入れたい内容、文体を具体的に伝えると使いやすくなります。【プロンプト例 】 取引先に打ち合わせ日程の候補を案内するメールを作成してください。 相手は社外のお客様です。 候補日は 4月15日10時、4月16日14時、4月17日16時です。 丁寧な文体で、件名、挨拶、本文、結びまで含めて作成してください。【実例】 件名:お打ち合わせ日程のご相談 株式会社〇〇 △△様 いつもお世話になっております。 ▽▽株式会社の〇〇です。 お打ち合わせの日程につきまして、下記の候補日をご案内いたします。 ご都合のよい日時がございましたら、ご返信いただけますと幸いです。 ・4月15日 10:00~ ・4月16日 14:00~ ・4月17日 16:00~ 上記日程でご都合が合わない場合は、別の候補日時をお知らせいただけますと幸いです。 お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。◇ 内容を要約してほしいとき長い内容を短く整理したいときは、何を残したいかを明示すると効果的です。【プロンプト例】 以下の会議メモをお客様への報告メールに使えるよう要約してください。 重要事項は、対応完了項目、未対応項目、今後の予定です。 専門用語はできるだけ避けてください。 200字程度でまとめてください。 <会議メモ> 案件名:業務効率化システム導入検討 ミーティング目的: ・現行業務の課題整理 ・システム導入の要件確認 ・今後の進め方についての合意 議事内容: ・月次業務において手作業が多く、作業負荷が高い ・部門間でデータ管理方法が統一されておらず、集計作業に時間を要している ・業務手順が属人化しており、引き継ぎが難しい状況 …【実例】 本日は、現行業務の課題とシステム導入のご要望、今後の進め方について確認しました。 手作業の多さ、部門ごとに管理方法が異なること、担当者に業務が偏っていることが主な課題として共有されました。 対応完了項目として、課題整理、ご要望確認、段階的な導入方針のご提案まで実施しています。 未対応項目は、データ移行方法の詳細説明、既存システムとの連携可否の確認、権限設定など安全面の要件整理です。 今後は、X月XX日までに弊社で簡易提案書を提出し、次回X月XX日に提案内容と導入時期をご説明する予定です。◇ 言葉遣いを正してほしいとき自分で書いた文面を、より丁寧で自然な表現に直してもらう使い方も有効です。【プロンプト例】 以下に、私が作成したメール文を記載します。 内容の意味は変えず、お客様向けに失礼のない丁寧な表現へ修正してください。 強すぎる表現やそっけない表現があれば、やわらかい言い回しに直してください。 また、必要に応じて、挨拶文や結びの表現も整えてください。 <メール文> 〇〇様 お世話になっております。 先日ご依頼いただいた件ですが、確認に時間がかかっています。 もう少しお待ちください。 よろしくお願いします。【実例】 いつもお世話になっております。 先日ご依頼いただきました件につきまして、現在確認を進めておりますが、今しばらくお時間を頂戴しております。 恐れ入りますが、もう少々お待ちいただけますと幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。◇ 文章構成を整えてほしいとき伝えたい内容はあるが、どう文章を並べればよいかわからないときにも活用できます。【プロンプト例】 以下メモ内容を整理して、クライアントへの報告メールを作成してください。 読み手が現状を正しく把握できるような構成にしてください。 <メモ> ・昨日のシステム障害は復旧済み。 ・原因はサーバーへの負荷集中。 ・今後の対策としてサーバーを増強する。 ・ご不便をおかけしたお詫び。 ・現在は正常に動いているので安心してほしい。【実例】 いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。 昨日発生いたしました弊社システムの障害につきまして、ご不便とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。 本障害は、サーバーへの負荷集中が原因で発生しておりましたが、現在は復旧しており、正常にご利用いただける状態となっております。 また、今後の再発防止策として、サーバーの増強を進めてまいります。引き続き、安定したサービス提供に努めてまいります。 このたびはご迷惑をおかけしましたことを、改めてお詫び申し上げます。何卒よろしくお願い申し上げます。◇ 「AIっぽさ」を抑えるための追加指示文章が丁寧すぎて不自然になることを防ぐためには、以下のような文言をプロンプトに付け加えるのがおすすめです。 「外してほしい要素」や「足してほしい要素」を加えると、AI特有の表現が抑えられ、より実用的なメール内容になります。【プロンプト例】 ・二重敬語や、過剰に回りくどい表現は避けてください。 ・「~努めましょう」などの当たり障りのない抽象的な表現は避けてください。 ・同じリズムにならないよう文章に長短をつけてください。■ 6. まとめAIを使ったビジネスメール作成には、文面作成の時短、内容の要約、言葉遣いの調整、構成の整理といったメリットがあります。 文章作成に不慣れな人でも、下書きを作りやすくなり、メール作成の負担を減らしやすくなります。 一方で、AIは正しく見える誤情報を含む文章を生成することがあり、内容が常に正しいとは限りません。 特に、日時、金額、会社名、条件などの重要な情報は注意が必要であり、事実確認や最終判断は人が行うことが大切です。 AIに任せきりにせず、確認しながら使うことで、ビジネスメールにおいても安全かつ効果的に活用することができます。
技術情報
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AIメール作成のメリットと注意点
最終更新日:
2026年4月21日エーアイメールサクセイノメリットトチュウイテン
AIを活用したビジネスメールの作成は、文面の下書きや要約、言葉遣いの調整などを効率よく進めやすい方法として注目されています。
一方で、内容の誤りや不自然な表現、情報管理の面では注意が必要です。
この記事では、AIを使ったビジネスメール作成のメリットとデメリット、安全に活用するための工夫、実際に使えるプロンプト(※1)例をわかりやすく紹介します。
※1:AIへの指示や依頼内容を伝えるために入力する文章や言葉のこと。
目次
■ 1. AIを使ったビジネスメール作成
AIを使ってビジネスメールを作成すると、様々なメリットがあります。
メール作成に慣れていない人でも文面を作りやすく、日々の業務の中で文章作成の負担を減らすことができます。
内容を整理しながら、相手に伝わりやすいメールを作るための補助役として活用できるのが、AIを使ったビジネスメール作成の大きな特徴です。
■ 2. メリット
◇ メール作成時間の短縮
ビジネスメールでは、伝える内容そのものよりも、文面を整える作業に時間がかかることがあります。
例えば、言い回しを考えたり、失礼のない表現に直したり、全体の流れを整えたりする作業です。
AIを使うと、伝えたい要点をもとに文面の下書きを短時間で作成できます。
特に、次のような場面で時短につながります。
・日程調整のメールを作るとき
・資料送付の連絡をするとき
・問い合わせへの返信文を考えるとき
・社内向けの案内文をまとめるとき
短時間で下書きを作り、その後に必要な修正を加えることで、メール作成全体の効率を高めやすくなります。
◇ 長いメール内容を要約や整理
業務では、会議の内容、問い合わせ内容、社内共有事項など、情報量の多い内容をメールで簡潔に伝えなければならない場面があります。
そのようなときにAIを使うと、長い文章の要点を整理し、短くまとめた文面を作りやすくなります。
例えば、次のような使い方ができます。
・会議メモをもとに要点を整理する
・長い説明文を短くまとめる
・問い合わせ内容を整理して返信文の形にする
・複数の連絡事項を読みやすくまとめる
情報が多いままだと、相手にとってわかりにくいメールになりやすいですが、AIを使うことで内容を整理しやすくなります。
◇ 言葉遣いを適切に整える
ビジネスメールでは、内容が正しいだけでなく、相手に合わせた丁寧な言葉遣いも大切です。
しかし、表現の仕方によっては、素っ気なく見えたり、逆に回りくどくなったりすることがあります。
AIは、伝えたい内容をもとに、適切な言い回しへ整えるのに向いています。
そのため、次のような調整に役立ちます。
・くだけた表現を丁寧な表現に直す
・強すぎる言い方をやわらかくする
・わかりにくい文をわかりやすい表現にする
・社内向けと社外向けで言い回しを変える
文章表現に迷いやすい人でも、相手に失礼のない文面を作りやすくなります。
◇ メールの文章構成を整える
メールは、内容だけでなく、全体の構成がわかりやすいことも重要です。
一般的には、件名、挨拶、本文、結びの流れが整っていると、相手にとって読みやすいメールになります。
AIを使うと、この基本的な構成を意識した文面を作りやすくなります。
例えば、次のような点で役立ちます。
・内容に合った件名を考える
・相手に合った挨拶文を入れる
・本文の順序を整理する
・結びの言葉を適切に整える
特に、内容は決まっているものの、どの順番で書けばよいか迷うときに便利です。
構成が整うことで、相手に意図が伝わりやすいメールになります。
■ 3. 注意点
◇ 内容の正確性をそのまま信頼できない
AIは自然で読みやすい文章を作る一方で、内容が常に正しいとは限りません。
文面としては整っていても、事実確認が不十分なまま出力されることがあります。
また、AIは事実とは異なる内容を、正しいように見える文章として出力することがあり、これをハルシネーションと言います。
文章全体が自然で読みやすいほど違和感に気づきにくく、そのまま使ってしまうおそれがあります。
例えば、次のような誤りが起こる可能性があります。
・実際とは違う日時を書く
・古い情報を前提に案内文を作る
・確認していない内容を断定的に表現する
・自社のルールと異なる内容を含める
特にビジネスメールでは、日時、条件、相手への案内内容などに誤りがあると、社内外のやり取りに混乱が生じる可能性があります。
実際に、Microsoft Learnの「Microsoft 365 Copilotのサービスに関するメールまとめのFAQ」では、メール要約の機能について、重要な詳細を見落としたり、メールスレッドの文脈を誤って解釈したりする場合があると案内されています。
また、正確さのために元のメール内容を参照し、要約を慎重に確認する必要があるとも記載されています。
◇ 情報漏洩のリスクがある
AIにビジネスメールの作成を依頼する際、入力する情報の扱いには注意が必要です。
内容によっては、社外に出してはいけない情報や、取り扱いに配慮が必要な情報が含まれる場合があります。
例えば、次のような情報です。
・顧客名や担当者名
・社内だけの連絡事項
・未公開の製品情報や計画
・契約内容や金額
・個人情報を含む内容
こうした情報を安易に入力すると、AIの学習データとして利用され情報漏洩のリスクになるおそれがあります
AIを利用する際は、社内ルールや利用条件を確認し、入力してよい情報の範囲を明確にしておくことが大切です。
◇ 不自然な文章のリスク
AIが生成する文章には、不自然な表現が含まれる場合があります。
・過剰な敬語:かしこまりすぎて回りくどくなったり、上から目線な印象を与えたりする。
・文脈のズレ:一文は正確でも、全体の流れがぎこちなく、実際のやり取りでは使わない硬い表現が混在する。
・相手との関係性に合わない表現:相手との関係性に対し、表現が断定的すぎたり、過度に事務的になることがある。
ビジネスメールでは「内容の正確性」と同じくらい「相手との関係性に合わせた表現」が求められます。
AIの出力をそのまま使うのではなく、言い回しの違和感やトーンを人で最終調整することが必要です。
■ 4. 安全に活用するための工夫
◇ AIには下書きを作らせる
AIを使うなら、最初から完成形を任せるのではなく、下書きを作る使い方が向いています。
例えば、次のような使い方です。
・本文の構成だけ作らせる
・丁寧な言い回しに整えさせる
・要点を箇条書きにさせる
・件名候補を出させる
このように使えば、AIの便利さを活かしながら、重要な判断は人が行いやすくなります。
◇ 指示を具体的にする
AIへの指示があいまいだと、生成される文章もあいまいになりやすいです。
そのため、誰に送るのか、何を伝えるのか、入れるべき情報は何かを具体的に伝えることが大切です。
例えば、次のような条件を伝えると使いやすくなります。
・相手は取引先か社内か
・目的は案内か依頼か確認か
・入れるべき日時や条件
・避けたい表現
・文面の長さ
・丁寧さの程度
条件がはっきりするほど、不要な補足や誤解を減らしやすくなります。
◇ 重要項目は必ず人が確認する
AIの文面を使う前に、重要な情報は人が確認することが大切です。
特に、相手に誤解を与えやすい項目や、間違いがそのまま信用や業務に影響する項目は注意が必要です。
例えば、次のような内容は必ず確認しましょう。
・会社名、担当者名、部署名などの名称
・日時、金額、数量などの数値情報
・サービス内容、URL、連絡先などの案内情報
・確定事項と未確定事項の区別
上記内容に誤りがあると、相手に誤解を与えたり、やり取りの混乱につながる可能性があります。
そのため、AIが生成した文面はそのまま使用せず、重要な情報ほど人が確認してから使うことが大切です。
◇ 重要なメールほどAI任せにしない
AIを活用する際は、すべてのメールを同じように扱うのではなく、内容に応じて使い分けることも工夫のひとつです。
例えば、契約関連、おわびや謝罪、障害や不具合の説明、社外への正式なお知らせなどのメールは、情報漏洩や誤った案内のリスクが伴います。
こうしたメールは、AIに任せるのではなく、人自らが内容を確認しながら作成した方が安全です。
■ 5. AIを用いたメール作成で使えるプロンプト例
◇ 下書きを作成してほしいとき
AIは、まずメール全体の下書きを作成することに適しています。
その際は、相手、目的、入れたい内容、文体を具体的に伝えると使いやすくなります。
【プロンプト例 】
取引先に打ち合わせ日程の候補を案内するメールを作成してください。
相手は社外のお客様です。
候補日は 4月15日10時、4月16日14時、4月17日16時です。
丁寧な文体で、件名、挨拶、本文、結びまで含めて作成してください。
【実例】
件名:お打ち合わせ日程のご相談
株式会社〇〇 △△様
いつもお世話になっております。
▽▽株式会社の〇〇です。
お打ち合わせの日程につきまして、下記の候補日をご案内いたします。
ご都合のよい日時がございましたら、ご返信いただけますと幸いです。
・4月15日 10:00~
・4月16日 14:00~
・4月17日 16:00~
上記日程でご都合が合わない場合は、別の候補日時をお知らせいただけますと幸いです。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
◇ 内容を要約してほしいとき
長い内容を短く整理したいときは、何を残したいかを明示すると効果的です。
【プロンプト例】
以下の会議メモをお客様への報告メールに使えるよう要約してください。
重要事項は、対応完了項目、未対応項目、今後の予定です。
専門用語はできるだけ避けてください。
200字程度でまとめてください。
<会議メモ>
案件名:業務効率化システム導入検討
ミーティング目的:
・現行業務の課題整理
・システム導入の要件確認
・今後の進め方についての合意
議事内容:
・月次業務において手作業が多く、作業負荷が高い
・部門間でデータ管理方法が統一されておらず、集計作業に時間を要している
・業務手順が属人化しており、引き継ぎが難しい状況
…
【実例】
本日は、現行業務の課題とシステム導入のご要望、今後の進め方について確認しました。
手作業の多さ、部門ごとに管理方法が異なること、担当者に業務が偏っていることが主な課題として共有されました。
対応完了項目として、課題整理、ご要望確認、段階的な導入方針のご提案まで実施しています。
未対応項目は、データ移行方法の詳細説明、既存システムとの連携可否の確認、権限設定など安全面の要件整理です。
今後は、X月XX日までに弊社で簡易提案書を提出し、次回X月XX日に提案内容と導入時期をご説明する予定です。
◇ 言葉遣いを正してほしいとき
自分で書いた文面を、より丁寧で自然な表現に直してもらう使い方も有効です。
【プロンプト例】
以下に、私が作成したメール文を記載します。
内容の意味は変えず、お客様向けに失礼のない丁寧な表現へ修正してください。
強すぎる表現やそっけない表現があれば、やわらかい言い回しに直してください。
また、必要に応じて、挨拶文や結びの表現も整えてください。
<メール文>
〇〇様
お世話になっております。
先日ご依頼いただいた件ですが、確認に時間がかかっています。
もう少しお待ちください。
よろしくお願いします。
【実例】
いつもお世話になっております。
先日ご依頼いただきました件につきまして、現在確認を進めておりますが、今しばらくお時間を頂戴しております。
恐れ入りますが、もう少々お待ちいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
◇ 文章構成を整えてほしいとき
伝えたい内容はあるが、どう文章を並べればよいかわからないときにも活用できます。
【プロンプト例】
以下メモ内容を整理して、クライアントへの報告メールを作成してください。
読み手が現状を正しく把握できるような構成にしてください。
<メモ>
・昨日のシステム障害は復旧済み。
・原因はサーバーへの負荷集中。
・今後の対策としてサーバーを増強する。
・ご不便をおかけしたお詫び。
・現在は正常に動いているので安心してほしい。
【実例】
いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の△△です。
昨日発生いたしました弊社システムの障害につきまして、ご不便とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
本障害は、サーバーへの負荷集中が原因で発生しておりましたが、現在は復旧しており、正常にご利用いただける状態となっております。
また、今後の再発防止策として、サーバーの増強を進めてまいります。
引き続き、安定したサービス提供に努めてまいります。
このたびはご迷惑をおかけしましたことを、改めてお詫び申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
◇ 「AIっぽさ」を抑えるための追加指示
文章が丁寧すぎて不自然になることを防ぐためには、以下のような文言をプロンプトに付け加えるのがおすすめです。
「外してほしい要素」や「足してほしい要素」を加えると、AI特有の表現が抑えられ、より実用的なメール内容になります。
【プロンプト例】
・二重敬語や、過剰に回りくどい表現は避けてください。
・「~努めましょう」などの当たり障りのない抽象的な表現は避けてください。
・同じリズムにならないよう文章に長短をつけてください。
■ 6. まとめ
AIを使ったビジネスメール作成には、文面作成の時短、内容の要約、言葉遣いの調整、構成の整理といったメリットがあります。
文章作成に不慣れな人でも、下書きを作りやすくなり、メール作成の負担を減らしやすくなります。
一方で、AIは正しく見える誤情報を含む文章を生成することがあり、内容が常に正しいとは限りません。
特に、日時、金額、会社名、条件などの重要な情報は注意が必要であり、事実確認や最終判断は人が行うことが大切です。
AIに任せきりにせず、確認しながら使うことで、ビジネスメールにおいても安全かつ効果的に活用することができます。